『リスティング広告 プロの思考回路』 アスキーメディアワークス を読む (Blog)

第1章 どうやって効果を高めるのか?
リスティング広告で一番大事だと考えていること
- 自社(広告主)を知る
- 競合を知る
- お客様を知る
「ランディングページのファーストビューに本当に言いたいことがかかれていない!」(自社を知る)
「そんなキーワードで出稿したって(同じキーワードで出稿している)他社に勝てるわけない!」(競合を知る)
「その広告文で本当にクリックされると思う?」(お客様を知る)
プロが必ず実践していること
(1)「ユーザは必ず自社(広告主)と競合他社を比較している」ことを念頭に置く
(2)「比較されたときに勝てる武器は何か」を理解している
リスティング広告は、ユーザが何かのニーズをキーワードで表現し、検索したときに表示されるので、自社(広告主)がよほど強い商品を展開していなければ必ず競合の商品やサービスと比較される。そのとき、他社と比較されても、なお自社(広告主)の商品やサービスがユーザに選ばれる「武器」がなければ、どんなに何度も上位に表示されても、本来の効果は発揮できない。「比較されたときに勝てる武器は何か」を理解することが非常に重要であり、「クリック率」や「広告スコア」、「コンバージョン」、「LPO」といった指標を小手先でいじるより、はるかに大きな成果が得られる最善の策になる。
リスティング広告は最も手間のかかる手段
リスティング広告は、最も獲得効果の高い手段である理由は、テレビ広告やバナー広告がニーズのないユーザにも自社の主張を表示していたのに対し、リスティング広告は何らかのニーズをキーワードの形で表しているユーザに対してのみ表示される。ニーズには興味・関心の段階の含まれるので必ずしもすべてが購入に結びつくわけではないが、テレビ広告やバナー広告より効率が高い。
まず、リスティング広告はキーワードで網を張るところから始まる。しかし、ひとつの商品に対してユーザが検索に使うキーワードは何十、何百種類(ミスタイプまで含めればもっと多い)ににもなる「検索キーワードの多様性」がある。「検索キーワードの種類はニーズを持つユーザの数だけある」と言っていい。しかも時代の流れ、人々のニーズの変化によってひとつの商品に対応するキーワードも変わっていくし、寿命の短い商品であれば、商品の方が変わってしまう。リスティング広告でも商品に対応する細かなニーズとキーワードの関係を細かく幅広く更新し続けないと販売につながらない。
また、リスティング広告は多くの場合、同じキーワードで網を張っている会社、つまり同様の商品やサービスを提供している競合他社と自社の広告が一緒に表示される。テレビなら競合同士が同じ番組のスポンサーになることはあり得ないし、バナー広告なら一つの表示枠に1社しか表示できない。ところがリスティング広告の場合、ほとんどの場合は競合他社の広告が同時に表示され、即時に比較対象になる。USP(Unique Selling Point = 独自の売り)がないと見向きもされないのがリスティング広告だが、同じような商品やサービスが表示されている中で、数十文字のテキストでUSPを見せるのは非常に難しい。だが、USPがなければ売れないのも事実だ。広告文を絶えず競合と比較して見直し、他者には出せないUSPを模索し続けるしかない。
さらに、リスティング広告は出稿してクリックされただけでは売り上げにならない。
どんなにうまくキーワードの網を張って、広告文で差別化しても、最終的には「正しい情報」に導かないと意味がない。
リスティング広告は、キーワード選び、USP、ランディングページのクリエイティブや在庫管理との連動などがかみ合って初めてうまくいく手法であり、手間のかかるリスティング広告の運用を補ってくれるのが自動入稿システムなのだ。