OpenStreetMap

Software Design 5月号(P158-161)に地図関係の記事がありました。
始まったばかりのOpenSorceのプロジェクトのようです。
Contents Surveyの方法の参考になるかも。

Hack For Japan  第6回復興していく街をOpenStreetMapに記録する

<OpenStreetMapとは>
まずはじめにOpenStreetMapの利点の説明があり、次のようなものがあげられました。

  • ライセンスフリー
  • 誰でも編集可能
  • 印刷して配布可能

普通の地図は著作権に守られ、自由い複製や改変はできませんが、OpenStreetMap ならそれが自由にできることから、”地図のwiki”ということが言えます。最近iOS版がリリースされたAppleのiPhotoにも採用されるなど、商用での採用事例も増えています。日本語の情報はhttp://osm.jp で見ることができます。
ただし、OpenStreetMapは、地図データの入れ物、美しく描画するにはHackが必要とのことです。

<お店の情報を集める>
説明の後、午前中いっぱいはグループに分かれて実際にGPSロガーを持って計測を行いながら釜石のお店を歩いて回り、

  • お店の名前
  • ジャンル
  • 営業時間
  • 電話番号
  • 震災後いつ再開したか

この5点について情報を集めました。各グループには必ず1人は地元に詳しい人がつくようにしました。やみくもに回っても効率的でなく、地元の方ならではの情報が得られるためです。
どのお店の方も忙しい中、快く情報提供にご協力いただきました。3月中旬ではまだ寒い中ではありましたが、訪ねたお店の方に「寒いから中に入って」と言っていただける場面もあり、情報提供に協力いただけることへの感謝とともに復興に向かっていく方々の心の暖かさを感じました。
今回は講師の協力でGarminのGPSロガーを複数台用意できましたが、GPSロガーがなくてもiPhoneやAndroid端末のアプリで代用することも可能です。
例としてiPhoneにはOSMTrack、AndroidにはMyTracks、また、WheelMapというアプリはiPhoneとAndroidr両方に用意されています。

<データの入力>
午後は集めてきたデータを実際にマップにプロットする作業を行いました。
データを登録するにはOpenStreetMapへのアカウント登録が必要ですが、アカウント登録に手間はかかりません。http://osm.org からアクセスし、メールアドレスと希望するアカウント名、パスワードを入力して届いたメールで認証を行えば即座に発行されます。
ほとんどの方は初めての体験であるため、まずはツールの使い方の説明から入りました。編集のためのツールには次のようなものがあります。

  • Potlatch2:Webブラウザで動作するFlashベースびOpenStreetMapエディタ
  • JOSM:スタンドアローンのアプリケーション

今回はブラウザ上で動作するという手軽さからPotlatch2を使用して説明が行われました。午前中に集めてきたGPSロガーのデータは、USBケーブルでPCに接続して吸い上げることができます。
写真に写っているのは、今回の会場の一つであるAOBAの建物を入力しているところです。このようにして建物を入力し、そこに情報をタグとして入力していきます。
“source=survey”というタグを入力すると、自分のGPSログを使用した場合、つまり足で集めたデータということになります。”source=knowledge”は地元の知識や常識という意味になります。
午前中に位置情報とともに集めてきたデータは各項目ごとに次のようなタグで入力できます。

電話番号: phone=+81-120-123-1234
営業時間: opening_hours=hh:mm-hh:mm
ウェブサイト: website=http://foo.com
説明: description=釜石駅から歩いていける
ソース(原典): source=survey
被災して閉じた店舗: end_date=YYYYMMDD
復興してオープンした店舗: start_date=YYYYMMDD

また、バリアフリーの属性を追記することもできます。

wheelchair  = yes
wheelchair:description =  入り口広く、段差なし

このような情報を付加することで、車いすを使用している方にも安心して訪れていただけるお店であるということを示すことができます。
なお、今回使用したPotlatch2はブラウザ上で編集を行うことができる手軽さはありますが、GPSロガーで記録したポイントによる位置の参照ができないという制約があります。ロガーのポイントを元に編集を行いたい場合は、使うタグをあらかじめ知っている必要があるなどの敷居の高さはありますが、スタンドアローンアプリケーションであるJOSMの方が良いとのことです。
最後にディスカッションをしている中で、陸前高田市の津波到達点上に桜を植樹し、震災を後世に伝えるためのプロジェクトである「桜ライン311」という試みをOpenStreetMap上に記録できないかという話も出ました。木のタグは”nature=tree”で表して、木の由来や特徴を残すことができるので、十分可能だとのことです。
ほかにも、各地で紙地図による店舗情報を作成しているところがあります。それらをOpenStreetMapに入力することで、より多くの方と共有できるようにすることも考えられるでしょう。

<イベントの成果>
今回講師として活躍してくれた古橋さんが、このイベントの前後での比較図を用意してくれました。現場でのPOI(Point Of Interest)入力と、横浜の後方支援チームの建物や周辺データの作り込みにより、イベント後は大幅に情報が充実していることがわかりました。
集まっていただいた皆様も自分たちで地図を編集していくことは大いに意義を感じていただいたようで、イベント中に入力しきれなかった情報も後から入力してくださっているようです。

<今後は>
復興へと邁進している今、街の状況は随時変化していきます。自由に編集できる地図でそれを記録して発信していくことは、ITが役に立てることに1つではないでしょうか。
今回のような試みが各地に広がっていくことを願っています。もちろんHack For Japanでも他地域での同様なイベントの開催を検討していきますので、今後ともよろしくお願いします。

日本語の情報は、Open Street Map で見ることができる。
Open Street Map Foundation(OSMF) 日本語コミュニティ

 

 

 

 

 

 

 

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